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ローラーオルガンの修理と調整 ROLLER ORGAN |
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1890年から1900年初頭 | |
ローラーオルガンの修理と調整
ローラーオルガンの取り扱い方法 以下は静岡県の奥大井音戯の郷で展示されるものについての調整用に作ったコメントです。 オルガンの調整方法は、日本にはほとんど書かれたものはないので 資料として参考になると思い、ここに公開いたします。 ローラーオルガンについては、沢山の種類があり、それぞれの基本的な構造は同じです。
以下が、ローラーオルガン用語です。 コブ:とうもろこしのようにボコボコしているということから、ピンを打った木のバレル(ローラー)のことをこう呼びます。 シンセバルブ:オルガンの弁のことです。 バキュームタイプ:ふいごの方式で、フイゴを動かして中の空気を外に出して真空にするタイプ ハンドル:手回しのハンドルの部分 クランク:金属の部分と、その動力をフイゴに伝える木の部分があります。 バルブユニット:金属で作られた、バルブとコブ(ローラー)を固定するためのユニット
ローラーは、8回転することにより、1曲を演奏します。1曲の演奏時間は、45秒から1分が目安といわれています。 手動式のオルガンなので好みによって回転速度を変えれば豊な演奏表現も可能です。
演奏終了後にはローラーを付け替えできるように、バルブユットのコブの取り付けのアームが手前に出てきます。 そのときには、コブがシンセバルブに接触しない状態になりますから、安心して交換できます。 コブは左右に2つ穴と1つ穴が開いていて、2つ穴の側が左にきます。
今回の機種は以下の3台で大きい順に 1、コンサートローラーオルガン 2、ホームミュージックボックス 3、ジェムローラーオルガン です。
下記の今回の調整箇所のコメントを書きます。 1、コンサートローラーオルガン ローラーオルガンでメンテナンスする頻度がもっとも多いのは、バルブの弁についたフエルトの張替えです。 これについては http://www.musical.jp/box/musicbox5/mb88.htm で書いていますが、その際に、2つのネジで固定されたバルブユニットを素人がはずしてしまうと、 やりやすいのですが、問題が生じます。 それは、元に戻すときに、元のネジ位置からずれてしまうことです。 バルブユニットの位置がずれてしまうと、空気の漏れが発生するために、ある音が出っぱなしになったり、 音がでなくなってしまいますので、バルブの弁が押さえ込む位置を正確に穴の開いている位置に合わせる必要があります。
2、ホームミュージックボックス ミュージックボックスと書いてあってもオルゴールではありません。 クランクの動力をフイゴに伝えるために木の部分が折れているものは多くみられます。 この部分は、いわばローラーオルガンの弱点ともいえます。 木の部分を付け直すか、他の材質で同じように機能するように修理する必要があります。
3:ジェムローラーオルガン 今回のものはフイゴの布(ジャバラ)が寿命で張替えが必要ですが応急手当でゴムを塗っています。 まだ、音が、安定していなく(出たり出なかったりを交互に繰り返す)トレモロのようになっていることから考えて、2つのフイゴのうち片方の、フイゴの空気が抜けているものと思います。 フイゴの空気が抜けるのはジャバラだけでなく、空気を押し出す部分の弁としてついている布が悪い場合もあります。 はかまの部分が現在取り外されていますが、これを固定するネジは現在見つかりませんので、何か同等のネジで取り付けてもらえれば良いと思います。 余談: もっとローラーオルガンについて知りたい場合には、 ローラーオルガンの研究家のToddさんのページを見れば大概のことは載っています。 Toddさんは、誕生日に奥さんから、rollerorgans.comのドメインをプレゼントされた。 というぐらい自他ともに認めるコレクターです。今回の交換用のバルブもToddさんからわけてもらいました。
ローラーオルガンの歴史と機種はこのページを見てください。 曲のリストはこのページです。 ちなみに、現在でも新曲が生まれています。ディズニーのコブについては日本では販売できないようです。 将来的には、私の方で、日本への供給をするという話もありますがまだ未定です。 不明な点があったら、メールまたは電話で連絡お願いします。 |
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