オルゴールの衰退
Decline of music box

オルゴールの衰退

Decline of music box

 

オルゴールは1900年ごろを全盛に迎え

シリンダーオルゴールから、ディスクオルゴール、さらにそれを応用した時代は、非常に短い期間で急速に衰退しました。

そしてグラモフォンの時代へと移り変わります。


 

オルゴールは多くの自動演奏楽器と組み合わされて、際限無く贅沢な方向と、誰でも買えるように安価な方向へと2つの方向へ向いました。

しかし、音声を簡単に再生できるエジソン※1フォノグラフの登場にはかないませんでした。

画期的なことに、声だけでなく複数の楽器の演奏までを小さなロウ(蝋)でできた蝋管(シリンダー※2)に記憶することが出来たのです。

わずか2分から4分しか再生できないフォノグラフの蝋管から、長い時間の録音が可能で取り扱いの容易なグラモフォンのレコード盤へと変化するまではあまり時間がかかりませんでした。

その間もディスクオルゴールは生き続けてはいましたが、オルゴールメーカーは次々に当時流行したグラモフォンの生産に工場を切り替えていきました。

従って多くのオルゴールメーカーはグラモフォンのメーカーへと移行していきました。

例えばトーレンスは、現在はオルゴールの工場をリュージュに売り渡しましたが、現在でもレコードプレイヤーを作りつづけています。

レジーナ社のレジーナフォンやメルモフレール社のミラフォン、のように、ディスクオルゴールグラモフォンの両方の機能を備えたものもありましたが、それは例外的です。

むしろ、非常にデリケートな調律を必要としたコームを必要としないグラモフォンの方が生産効率も、利益率も良かったことでしょう。

しかも、金属のプレスによって作られるディスクよりも、レコード盤の方が量産が容易で、しかも新譜がでるまでが早いことは当然です。

さらに、最初はかなり高価であったレコード盤は急速に値段も下がり、数年後には、今で言う廉価版のような存在すらありました。

たちまち、オルゴールの市場はグラモフォンへと移り変わっていきました。

 

※1 歴史を塗り替えたのはエジソンではないという説もあります。

※2 この場合のシリンダーはオルゴールのシリンダーとは違います。

 

オルゴールの復活へつづく

このページの写真は弟子屈欧羅巴民芸館さまから提供いただきました。

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