オルゴール(ミュージックボックス)
inside music box

シリンダー

cylinder

 

 

シリンダー

曲の演奏データを、この真鍮の筒に植え込んだものがシリンダーです。このホームページではなるべくオルゴールに使われているものだけをシリンダーと呼ぶようにしています。


何曲入っているか

現代のオルゴールでは普通1本のシリンダーで1曲から3曲ですが、アンティークオルゴールの場合は6曲から12曲ぐらいが普通です。

1曲が終るとシリンダーが、横にわずかに移動(スライド)することによって隣に植えてあったピンがコームをはじくようになります。

例えば上の写真のコームの歯は62本あります。そして10曲演奏するタイプなので、横一列に620本のピンが植えられるように狭い間隔で設計されています。

この場合に10回シリンダーが移動して全曲を演奏しますが、それを実現するためにコームの歯と歯の間隔が広くなっています。

下の写真は8曲入りのものでシリンダーに薄く刻まれた線と線の間が1本の歯が担当する範囲です。

さらに拡大すると良くわかります。

青い線のように非常に狭い間隔で植えつけられたピンを歯が正確にはじいていきます。


ファットシリンダー※

普通のシリンダーよりも太くすることにより、長い曲を演奏することを可能にしたり、本来一回転に付き1曲流れる所を、2曲流すことが可能となりました。

半周で1曲が終了して、残り半周でもう1曲演奏するようになっています。

つまり従来のシリンダーオルゴールは1本のシリンダーで12曲がほぼ限界でしたが、ファットシリンダーにすることにより、24曲の演奏が可能となります。

ファットシリンダーで多く見られるのはBHAやパイアールなどです。

BHAの中には30曲というものもあります。

左がファットシリンダー

アンティークオルゴールにはありますがリュージュなどの現代のオルゴールにはない機能です。


ピンの曲げを直す

これが、結構大変な作業です。一度折れたものを直す方法として私は少し高級な0.3mmのシャープペンシルを使います。

シャープペンシルに芯を入れないで(当たり前ですが・・・)ペン先を曲がっているピンに差込み(ピンをペン先に差込み)そっと

もとに戻すのです。これが垂直に立てなくてはならないのと、力の加減を間違えるとピンが取れてしまいます。

さらに何度もやり直しが効くわけではなく、1回で立てるように慎重にやりましょう。

運がよければ、ピンの修正器具が手に入りますが、ほとんど出回っていないので入手困難です。

 

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