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コーム(櫛歯)
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コームとは コーム(=comb)とは櫛(くし)のことです。髪の毛をとかす櫛と形状が似ているためにこの名前で呼ばれています。 従って、一本一本は櫛の歯ということで歯と呼びます。英語でも複数の歯をTOOTHと1本の歯をTEETHと呼んでいます。 コームの歯の長さや、重さなどで振動する周波数が変わり、音階を奏でます。 しかしながら、この歯の数が50本あっても、それは必ずしも50音階あるわけではなく、同じ音に調律された歯が複数あることも多いです。 また、シリンダーオルゴールの場合は、演奏する曲にあわせてコームを作るので、予め必要な音のリストを作り、最低限必要な音のコームを作ります。 したがってムダな音は省いてありますから、単純に歯数が音域の広さを表すわけではありません。 コームの種類 コームの種類は大きく分けて2つです。 1つはそれを直接または間接的にはじいて音を出すもの。 もう1つは、ベルやドラムなどを叩くための力の伝達をするものです。 ダブルコーム 2つのコームを持つものをダブルコーム※と呼びます。 このダブルコームはいくつかのタイプがあります。 普通はディスクオルゴールの良く使われる、写真のように向かい合ったタイプです。 2枚の同じ音に調律したコームを同時にはじく仕組みになっており、大きな音量を得られるだけでなく、その2枚の調律の微妙な音程の差(狂い?)から音のうねりがでて独特の柔らかい音がします。 この原理をシリンダーオルゴールで応用したサブライムハーモニーや、マンドリンがあります。 サブライムハーモニーは2つのコームを同時に演奏させて音にうねりを出す効果を狙ったものと、少しずらしたタイミングではじいてエコーのような効果を出すものとあります。 また、同じように2枚のコームで構成したマンドリンもあります。マンドリンでは左右のコームにある同じ音程を交互に素早く演奏することにより、オルゴールの苦手な早いトレモロのような演奏を可能にします。 マンドリンの効果を1枚のコームで行なったものもあります。
※ダブルコームの対して、1枚だけのコームをシングルコームと呼ぶことがあります。 トリプルコーム 上に挙げたダブルコームだけでなく3枚、4枚、6枚など組み合わせたオルゴールも存在します。 歯の形状 歯の形状は、低音、中音、高音域によって異なります。 これについては、オルゴールの歯の形状のページに図を書きましたのでご参照ください。 歯の間隔 普通1曲しか演奏しないオルゴールではコームの歯と歯の間隔が詰っていますが、シリンダーオルゴールで数曲演奏する場合に、歯と歯の間隔は開いていきます。 (シリンダーを参考にして下さい。) 現在販売されているリュージュや三協精機のオルゴールは、シングルコームでしかも3曲程度の演奏しかできません。 従って歯の間隔が広く開いているものはありません。 歯の数 オルゴールによってもちろん違います。 アンティークの場合には、300本などというものもありますが、もちろん1つのコームでできているわけではありません。 ほとんどの場合には、100本程度までが普通です。 アンティークのシリンダーオルゴールの場合には9インチ程度の長さで50本前後、11インチで70−80本程度です。 現在のシリンダーオルゴールは14、18、22、30、36、50、72本ぐらいが標準でしょうか? アンティークのディスクオルゴールの場合には、非常に多くの種類がありますが、標準的なもので4.5インチの30本 現在のディスクオルゴールとしては、最近手回しオルゴールで普及しているのオルガニートなどの20、22、30本などがあります。 なぜ弁って言うの? 日本語では歯のことを振動弁と呼ぶそうです。
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