オルゴール(ミュージックボックス)
inside music box

ガバナー

GOVERNOR ( TEMPO CONTROL)

 

ガバナー

オルゴールの機構の要であるギアボックスですが、この小さなユニットの中には、驚くことが詰っています。


羽根のようなもの

クルクルと高速に回る羽根をエアブレーキと言います。またの名をバタフライとも呼びます。

もちろん装飾品ではなく、空気抵抗を使って、最終段のギアの回る速度を調節します。

従って、この回転によって全てのギアの速度が変化するのでシリンダーの回る速度、つまり曲を演奏するテンポをこの羽根で決めることになります。

エアブレーキは羽根を折りたためるように動かすことができるようになっていて、大きく広げるとそれだけ空気抵抗が大きくなるために遅くなり、狭めると抵抗が少なくなり回転が速くなります。

つまりオルゴールの速度調節器といえます。

 

さらに、このエアブレーキは最も簡単にオルゴールの演奏を止めることができるために、プレイスイッチからの棒(シャフト)がこの羽根を止める機構になっています。

小型のオルゴールなどでも構造は全く同じです。


宝石?

オルゴールのフタを開けて一際目立つ存在が赤く光るこの宝石です。

人工石が作れる今と違い、当然天然石です。ルビー、ガーネットなどが使われます。

この宝石は、実は重要な意味を持っていて、バタフライエアブレーキ)の軸をスムースに動かすための軸受けです。

摩擦を少なくし、さらに高速回転に耐えるための物は当時これ以外はありませんでした。


ガバナーの分解と調整へつづく

 

 

 

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