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チターアタッチメント zither unit |
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チターアタッチメント その音色をオルゴールのコームに少し細工するだけで簡単に作れてしまうというのが、チターアタッチメントの効果です。 薄い半紙のような紙を丸めて、コームに押し付けることにより、オルゴール独特の余韻がなくなり、ちょうどスタッカートのような効果を出すことができます。 この音がチターに似ているかどうかは意見が分かれる所ですが、確かに効果としては面白いと言えます。 レバーを動かすことによりこの効果を、ON、OFFできます。 このマークは? チターアタッチメントについているシンボルマークはほとんどの場合に、チターやハープではなくてライアーです。 ライアーはハープの仲間ですが区別としては別の楽器として扱われます。 チターアタッチメントつきのオルゴールを買う際の注意 チターアタッチメントがついているオルゴールは慎重に選ばなくてはなりません。なぜならば、コームの状態が見えないからです。オークションなどでは、写真だけでの購入になってしまうので特に注意が必要です。 コームの先端が折れているなどの状態だけでなく、折れた歯をボンドでつけているなども考えられます。 本当はチターアタッチメントをはずして写真をとってもらえれば良いのですが、これが結構手間がかかるので、ほとんどの場合に催促してもやってくれません。
チターアタッチメントの値打ち チターアタッチメントがついているオルゴールは見た目も、少し豪華に見えますし、何よりも、現代のオルゴールにはついていない珍しさの魅力もあるでしょう。 海外での購入の目安では、チターアタッチメントがついていると全体の5%ー10%UPぐらいになります。 チターアタッチメントをはずす。 ほとんどの場合は、ボックスから、ベッドプレートをはずしてからの作業になります。 その際に注意することは、その工程をしっかり覚えておくことです。 また、どの様に固定されていたかなどを写真をとりながら、はずして行った方が組み立ての際に良いと思います。 さらに、ボックスの中にベッドプレートを戻す前に、チターの機能が正確に働くかも試した方が良いです。 紙を取り替えよう これは以外に簡単です。チターアタッチメントに使っている紙は当時の高級な便箋の紙と同じでしたので、アンティークの便箋を探して手に入れられればそれを使いましょう。 もしそれが出来なくても、航空郵便用の薄い便箋を買ってきて使うとか、手漉きの高級和紙を使うなど代用もできます。 クルクル巻いて糊で止めて、両面テープなどで、チターアタッチメントの裏の木の部分(木の部分が無いものもあります。) に固定します。 紙の巻き数などは何回か調整する必要がある場合もあります。
チターアタッチメントの効果 チターアタッチメントは、音の余韻をカットする役目に使うことは先に書いたとおりですが、ではどのような場合にこの効果を生かせるのでしょうか? チターアタッチメントをONの状態にすると、オルゴール本来の残響音が消えます。 すると本来の伸びた音が好きな方にとってあまり綺麗に聞こえないという話しを時々耳にします。 では、なぜこのような機構が付けられたかを考えてみましょう。 本来シリンダーオルゴールにつけられたチターアタッチメントは、コーム全体をカバーしていないものがほとんどです。 また、アタッチメントがコームと同じ長さがあったとしても、上の図のように紙のついた部分が全体についていないことが多いです。 そこから、 1、音量を一定領域を下げてバランスを整える。(低音を押さえて高音を強調するなど) 2、2つの楽器が掛け合いをしているような効果を出す。(特にダブルコームでアタッチメントが2つついているタイプ) が考えられます。 特に当時のアンティークオルゴールにはマーチ等も多く入っていたために、そのスネアドラムのような歯切れの良い音の効果を出せる。 という話しを聞いたことがあります。 また2の場合は、オーケストラボックスでよく見られ、2つのコームが掛け合いになっているような演奏の場合には非常に面白い効果を出します。 ただ、これがディスクオルゴールとなると別です。 ディスクオルゴールの場合にはチターアタッチメントが、全てのコームの歯を覆うものが多いのでこれらの効果はあまり期待できません。 もっともディスクオルゴールの場合は、演奏させるディスクによって全く曲想が違いますからシリンダーオルゴールのように効果を狙うのは無理があります。 おそらく、シリンダーオルゴールの時代の名残で、ミュート効果だけ残したものだと思われます。 上記のように効果を狙う場合には、チターアタッチメントのつける位置や、ペーパーのトリミング(カット)、また巻き数の変化や、押さえつける強さなどの条件が備わる必要があります。 ちなみに、オークションなどで購入すると5台のうち4台は、これらの調整はされていません。
※アンティークオルゴールにはありますがリュージュなどの現代のオルゴールにはない機能です。 |
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