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ボックス box |
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ボックス(=ケース=箱)
オルゴールのボックスは、単なる装飾品ではなく大事な共鳴体です。 アンティークのオルゴールの場合には比較的小さなオルゴールであっても、8畳ぐらいの部屋ではうるさいぐらいの音量を出すものもあります。 オルゴールの音は、コームからベッドプレートに伝わって、さらにこのボックスで反響します。また、このボックスの置く場所によってはより大きな音を得る事も可能です。 底板が割れている。 ベッドプレートはボックスに対してボルトで止めますが、無理に締め付けたボックスや、保管状態が悪いオルゴールは底板が割れていることがあります。 一見底板が割れていることは目に見えないし重要でない様に見えますが、それをふさぐことにより大きな音を得ることが可能であったり、低音などの伸びが変わることがあります。 箱の修理 基本的に木工ですから、穴をふさいで塗装をすれば良いわけですが、これがなかなか大変だったりします。 おそらく、最悪の場合には、現代でも、木の材質を考えて作り直すことも可能だと思います。 ただ、装飾の多いアップライトのボックスなどは作るのかなり大変だと思います。 塗装は? 外装は普通は目止め剤を塗った後に、黒に茶色の塗装をします。 内装はシリンダーオルゴールの場合には黒一色が多いです。 いづれもシェラック(塗料の種類)を何層にも塗ることになります。 最後に軽くバフをかけると光沢が出ます。 なお、塗装の際にはチューンカードははずさない方が無難です。 カードはクギのようなピンを打ち込んで止めていますから、これをはずすときにカードを痛めることがあり危険です。 象嵌の直し方 フタなどに施された綺麗な象嵌(ぞうがん)などを修理するのは結構大変です。 例えば、花のデザインでその花ビラがとれた場合などは、その型紙を作り同じような木目の木を探して薄く、しかも型紙どおりに切り抜きます。それを顔料で着色して上手く張り込みます。 さらにその後で全体になじむようにシェラックで塗装をします。 ただ、中には印刷を作った「うつし絵」によるプリントもありますが、その場合には、同じオルゴールをもう一台手に入れてコンピューターで修復して、さらに、アルプスなどで出している昇華型プリンターで「うつし絵」自体を作る必要があります。 これはかなり大掛かりですし、何よりも投資が必要です。 ↑塗装を一度全てはがして修理をします。
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