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コームのチューニング
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あまり、必要のある人はいないと思いますが、音階の狂ったオルゴールを購入してしまった場合や、音階が狂ってしまったコームはチューニング(調律)しなくてはなりません。 その工程を簡単に紹介いたします。 尚、このページに使った写真のオルゴールはボロボロの状態からの修復をしているときに撮ったものですから、皆さんはおそらくもっと良い状態のものを行う場合が多いでしょう。
最初に何をしなくてはならないか? 最初に、まずコームの音階を判定しておく必要があります。 当然、その音階表などはありませんから、一つ一つをはじいてどの歯がどの音階かを書き留めておきます。 従ってある程度、音を判別する力、もしくは良いチューナー?が必要です。 その際に、あまりにも音階がメチャクチャになっているコームは修理をする労力などを考えるとあきらめた方が良いです。 下の写真を見てください。コームにセロハンテープを貼ってその上に音階を書いて行きます。 すると同じ音程が2つ、もしくは3つ並ぶことがあります。さらに、必ずしも、音階が綺麗に並んでいるわけではありません。 下のコームの場合にはE(ミ)がありませんでした。 知っている曲があるか? 当然これらのオルゴールは100年は経っているわけです。ほとんどの場合には当時に流行っていた曲が入っているわけですが 必ずしも自分の知っている曲が入っているとは限りません。 知っている曲が、あるか、ないか、によっては調節の難易度がかなり違い、音程が正しいかを追い込んで行く時や最後の調整の時に随分違うような気がします。 上記でわからなかった微妙にずれた音を判断する時に有効です。 音階の推測 次にわかる音階を表にできたら、狂った歯の音程や折れてなくなった歯の音程を推測します。 ディスクオルゴールの場合には、ほとんどの場合は綺麗な音階になっていたり、ある程度の資料がある場合もありますから、さほど問題にはなりません。 問題はシリンダーオルゴールの場合です。 シリンダーオルゴールは1本1本がオーダーメイドのようなものですから、全てのコームの音階が違うようなものです。 この場合には、パズルの要素のようなものがあり、このオルゴールのコームを作った人のクセ?や法則?を推測できなくてはなりません。 私の場合は、ある程度時間をかけて音階を推測するために、コンピュータで下の写真のように色分けの表を作ります。 掃除、修理 音階がわかったら、コームを掃除、もしくは修理をしていきます。 その際に、歯を削る行為をなるべくしないように心がけます。 歯を削り込むと音階が狂うだけでなく後でチューニングができなくなる恐れもあります。 上の写真のように歯が折れたようなコームではさらに大変な作業があるのですが、ここでは触れません。 以上オルゴールの歯は非常にデリケートですので注意が必要です、自信がある人以外は絶対にやってはいけません。 それは、あなたの財産の為というよりは、せっかく世の中に残った大事な財産を失う可能性すらあるのです。 従って、もし自分でどうしてもやってみたいという人はそれなりの良い工具と、壊れてしまって、修復が不可能なオルゴールで十分に試してから、挑戦してみてください。 チューニング いよいよチューニングです。 簡単に言うと、法則があります。
法則?と思われますが物理では当たり前の法則だそうです。 それで削ると書きましたが、これが微妙で、私は先端のとがったケガキ棒を使います。 これで、歯の裏を擦るように、ゆっくりとすこしづつ削るというよりは傷をつけていき音程を合わせます。 当然、削り過ぎないようにしなくてはなりません。
紙やすりなどはできるだけ使わないほうが良いと思います。 しかしながら、もし音程を高くする必要があって、歯の先がさびている場合などは紙やすりでさび取りもかねて削るという手もあります。 いづれにしても、削り過ぎないようにしてください。もとにもどらないので・・・・・
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