C 取り扱い方
CARE & TREATMENT

C3 割れたときの修理

When split body

10年も経つと、表面にヒビが入ったり、割れたりするハープがあります。

これらの原因は、置かれていた環境が悪いのもありますが、中にはよく乾燥できていない木を使って作られたものや、合板の接着が上手くいっていなかったものなど様々です。

本来、ほとんどの楽器は100年経っても新品同様の状態で保管することができます。

しかしながら、ハープはそれが難しい楽器の1つなのです。

ボディにかかる弦の張力は合計すると何100kgにも及び、普通に弦を張っているだけでもボディはストレスを受けます。

さらに多くの弦を張るために部品代や手間も含めてコストが高くなるためにボディの材質などにしわ寄せがきているものも多く見受けられます。

従ってかなり高級なものの場合には、それなりの工夫がされていて壊れにくくなっていますが、そのかわりに価格は何倍もします。

 

2つに割れてしまった場合(または上から下まで割れた場合)

これは大変です。音にも影響しますし、おそらく、他の場所も大きく問題が出ていることでしょう。

背面であれば、当て木をして全面接着のような形をとるようです。

素人には治せる範囲ではありませんし、修理を依頼すると、そのハープを買い換えられるぐらいの費用がかかります。

時には、お店の人にそのハープの価格の何倍も言い渡されることでしょう!

ボンドなどで繋ぎ合わせられるようでしたら、装飾品としてご活用ください。

 

割れている場合(見出しの写真のような状態)

割れていて隙間が開いている場合には、その隙間を埋める必要があります。

ヘアライン程度であれば、パテなどでの塗りこみも可能ですが中が見えるぐらい開いてしまっている場合には

木で埋める必要があります。

木目を生かしたハープであれば目立たないように隙間を埋めることはかなり難しいですが、そうでない場合には木の厚さを測って、その厚さの板を少しづつ丁寧にカッターなどで削っていき、接着剤を使わなくてもぴったりはまるぐらいの埋め木を作ります。

そして、割れている場所に埋め木を接着し、さらに、接着が終わったら、ヤスリでその表面を綺麗にしてから塗装にはいります。

もちろん工作が得意でない方は無理です。

塗装の材料は時代や物によって異なります。

友人は割り箸で埋め木をして、墨汁に水性顔料をまぜて、塗装したそうですが、どこを埋めたのかわかりませんでした。

 

割れが発生しているが、広がっていない場合

これは、広がる前に接着するしかありません。

出来れば、裏に半紙のような薄い紙を貼って、さらに上から木工用ボンド(水分少なめ)を何重にも塗ります。

他にボンドがついたらすぐに、濡れた布でふき取ります。

ニカワの方が良いのかもしれませんが、この方法でだいたい一命をとりとめます。

硬い接着剤で接着してしまったり、クランプ(押さえる道具)で割れ目を押さえ込んで無理やり固めてしまうと、後で他のところにストレスがかかり、別のところが割れてきてしまいます。

この半紙の方法が良いかどうかはわかりませんが、最悪乾燥が進むとまたこの箇所が割れ出すのでその状態は避けることができます。

 

割れて反り(ソリ)が生じている場合

反りが生じている場合には主に2通りあります。

1:弦の張りに耐えられなく、弦を固定している部分が反りを生じている場合

2:弦の張りのと平行に波打つように反りができてる場合

 

1の場合には弦を完全に一度緩めてから、少し湿度を加えながら少しづつ反りを戻します。

そして、最低1ヶ月ぐらい戻った状態でクランプなどで止めておき、ある程度直ったところで乾燥させて

接着させます。その後もよく乾燥してから弦を張るようにして下さい。

私はさほど傷が深い?(簡単な)ものは、クランプを使わずにテーピングをします。マスキングテープなどを1本使ってしまうぐらいの覚悟でギリギリ巻きにして放置しておきます。材質によっては、塗装が剥がれたり、糊が少しつく場合があるのでテストをしてから使うことをお薦めします。

2の場合には木目の問題の場合が多いので以外にも直せません。というより、私には治せません。

専門家に聞く限りでは板の張替えが最良と言われてしまいましたので、泣く泣く止めたこともあります。

誰か治せる方がいらしたら、情報を頂ければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

ハープとチター HOME