C 取り扱い方
CARE & TREATMENT

C4 弦が切れたとき

when broken strings

 

ハープを弾いている時でも弾いていない時でも、弦は切れる事があります。これは避けられないことですので、長い間ハープを使う人や、特に多くの時間練習する人にとっては必ず出会う現象です。

中には50年以上経過した楽器であっても弦が切れていないものもあります。スチールの弦で比較的弱く張られたものであれば1本も切れていない場合が多く、やはり弦にかかるストレスに関係があるようです。

従って長期間、使わないならば、やはり半音でも下げておいた方が良いでしょう。

ハープの場合に全ての弦を半音下げるだけで楽器にかかる過重は何十kgも軽くなります。


いろいろ前書きをしましたが、切れてしまったらどうするか?

については、正解は1つで、張り替えるしかありません。

この場合に困るのは切れたハープの弦の予備を用意しているか?ということです。

 

ご存知の通り、ほとんどのハープは音階によって弦の太さや種類を変えています。

従って全部の弦の予備を持っていれば良いのですが、中には1本何千円もする弦もあるでしょうし、フルセットで弦を買うと中古で楽器を買えるぐらいの出費が必要だったりします。

また日本では、オートハープの販売店でも弦をバラでの販売をしているところはほとんどなく、セットの取り寄せになるでしょう。

コンサートチターや大型のハープを持つ人は楽器の購入時から予備を揃える人も多いと聞いていますが、小型ハープの場合はほとんどの場合は大きな楽器店に行っても弦の予備がない場合が多いです。

特にアンティークなどの場合は弦の予備などあるわけがないので、それに近い弦を探すしかありません。

 

まずは、

1、その切れた弦の長さと太さを測って類似した弦を探す。

2、その弦の一部を切り取ってお店へ運んで店員に相談をする。

というのが現実的でしょう。

他の楽器の弦で代用する場合には以下の弦が代用できます。(ものによっては割高になりますが・・・)

スチール弦 マンドリン、マンドラ、マンドセロ、フォークギター、エレキギター、エレキベース
ナイロン弦 ウクレレ、クラシックギター、バイオリン、ビオラ、セロ、ベース、大型のハープ

その際に、弦を完全にはずさずに写真をとったりスケッチをするなどして、その弦がどの様に巻き始めていたかを覚えておく必要があります。

これがわからなくなると太いスチール弦などは、巻き方などを失敗すると楽器を壊すだけでなく、弦を張っている最中に切れて怪我をする恐れさえあります。

また、以下のもので代用もできます。

スチール弦 ピアノ線(ラウンド弦はやはり楽器店での取り寄せになります。)
ナイロン弦 釣り糸(ほとんどの場合に太さが書いてあります。)

また、ピアノ線はかなり硬いので模型用のハサミなどを使っても刃こぼれをおこしますので、必ず金属用のハサミまたは少し大型のニッパーを用意して下さい。

 

弦の張り方

弦の張り方についてはここのホームページが良いので見て下さい。

と言っても、英語のサイトなので少し補足を・・・・・

1

長さと太さがあった弦を用意します。もちろんスチール弦をナイロン弦に、ナイロン弦をスチール弦に、など違う種類の材質では代用できません。

もし、どうしても同じ太さが見つからなければ少し細い弦で代用します。(但し代用できないこともあります。)

ここで注意する点として、一度巻いたことがある弦や、折り目(曲がった)がついている弦は絶対に使用しないで下さい。金属弦のハープの場合に、ギターのようには再生はききません。

2

まずは、弦を60mmから70mmぐらい長めにニッパやペンチで切って先端を5mmぐらいペンチで曲げます。

この際に切れないペンチだととても苦労します。

それどころか安物のペンチやニッパーだと刃こぼれしてしまいます。

3 そして、やはりペンチなどを使いながら手で巻けるところまで巻きます。手を怪我しないように手袋などをすると良いのです私の場合には手袋をすると感触がよくわからないので手でそのまま巻きます。
4 その際に弦を適当に巻くのではなくできるだけ、そろえて綺麗に巻きます。他の弦がどのように巻かれているかは大いに参考になります。
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そして、専用の調弦用のレンチ(キーやハンマー)などで、巻ききります。その際の注意としては、ゆっくりと丁寧に、そして、巻きすぎないように・・・・です。とにかく巻きすぎると弦の張力でハープ本体にダメージを与えることになりますし、弦を切ってしまうこともあります。

とにかく、調律をします。

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暫くすると、緩んできますのでまた、締め直して調律します。

約1週間ぐらい弦が伸びる?ような気がすることもあります。

いずれにしても、すぐには安定しません。

複数の弦を張り替えたり、全部の弦を交換するときには、弦の引っ張る力がボディに均一にかかるように順番をある程度考えながら張っていきます。

したがって、右から順番にとか左から順番にとかボディにバランス悪く力がかからないようにしましょう。

2本も切れてます。

他の弦の巻き方などをよく見ておきます。

このようにブリッジで交差する弦は要注意!

上手く合うハープの弦がなかったのでギターの弦で代用
細いペンチと細いドライバーでリングを作ります。

こんな感じです。

最初は多少汚くてもOK!

大きなペンチは弦を切るときに使います。

反対側はこんな感じで曲げます。
綺麗に巻き取ります。

完成!

写真ではわかりませんが新しい弦だけピカピカです。

 

 

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