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E16 エラート Erato (Auto Harp) |
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弦の数 |
37本 |
Strings | 37 |
音階 | クロマチック | Scale | chromatic |
コード専用弦 | なし | Chord Strings | no |
コード演奏機能 |
あり |
Chord Function | 12 x 3 =36chords |
サイズ | 610mm 370mm (かなり大きい) | Size | 610mm 370mm(so big) |
サウンドホール | 1 | Sound hole | 1 |
推定販売年 |
1880年代から1900年ごろ |
Age (circa) |
about 1880 Pre -1900 |
複弦 | なし | Double string(like mandolin) | no |
現在の入手におけるレア度 | ★★★★★ ★★★(★) タイプにより異なる | Rare | 9/10 |
サンプルのメーカー | Muller’s(Uの字は上に2つの点がつくドイツ語のウムラウトです。) | Maker | Muller's |
基本構造: スライド式のコードバーを持つオートハープです。 12個のボタンを3段階にスライドさせることにより36のコードを出すことができます。
This harp has 12 slid buttons for to make 36 Chords. |
演奏概略: おそらく机のような平らな所において演奏します。 現代風に考えると抱えての演奏も可能です。(でも異常に重いので実質、無理でしょう。) 左手でコードのボタンを押して、右手で演奏します。
I guess, this harp was played on the table . It was not played holding-style, because it's very heavy. |
名前の由来(推測): 不明 unknown |
この楽器の最大の特徴と言えるスライド式オートコード機能 12×3=36コード使えると考えるよりは、予め自分で弾きたい曲のコードをプリセットしておくと考えた方が良いかもしれません。 他にも、これと同等の機能のオートハープは存在したようですが、特許の関係から、この形式は他に見当たりません。
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側面に見えるMuller’sのマーク 通常は、表面(TOP)に貼られていますが、ERATOの場合には側面です。
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鍵盤のように見える弦の配置からもクロマチックであることは容易に想像できます。 また、この古いデザインとゴールドのステンシル文字はMuller’sのハープでは良く見られます。 これと同等な花のデザインはCONCERT ZITHERでもよく見られます。 |
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コードボタンのズームです。 このボタンはプラスティックや木ではなく真鍮を削り出して作られています。 (もちろんこの頃にはプラスティックはありませんでしたが・・・・) |
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このサイズを見て下さい。 普通のオートハープを1.5倍したぐらいの迫力があります。 厚さもボタンまで入れると120mmあります。 |
コメント |
随分前から、Muller’sのハープはどれもとても気になる存在でした。 それはやはり、豪華というよりは古臭いなんとも味のあるデザインでした。
しかしながら、オークションなどでたまに見るその姿は大破しているか、凄く綺麗だが驚くほど高価なものばかりだったので購入することはなかったのですが....
あるとき、海外のホームページにあるMuller’sの広告ラベルを見てERATOに興味を惹かれました。 その後、ドイツのコレクターから「ERATOは特殊な機能がついている」という情報をもらいましたがその姿をみることはできませんでした。 さらにその後、2年間ebayでドイツ語検索をかけていたにもかかわらず一度も検索にかかりませんでした。
また、このハープをいろいろと調べるとドイツの博物館でも見当たらず、コレクターもほとんど見たことがないレアなアイテムであろうことがわかりました。
そしてそのことも忘れかけたある日のことでした。 ニュージーランドの楽器屋さんから特殊な部品を買おうとした時に、ハープを集めていることをメールした翌日、その楽器屋には、古いオートハープがあるという連絡がきました。 その時に$1000と言われたのでやけに高いなと思ったのですが、写真が送れないということでしたので、一応メーカー名と読める限りの文字を書いてくれと言ったら なんと、Muller's Auto Harp "ERATO" という返事でした。
このメッセージからいろいろと頭の中で考えました。 1、Erato は Zitherの表示なはずなのに なぜ Auto Harp(英語圏の表記) と書かれているか(輸出をしていたのか?) 2、Auto Harp と書いてあることから考えて、かなり古いものである。(現在はAutoharp) 3、ERATOは特殊な機能の楽器のはずなのに、なぜAuto Harp と名前がついているのだろう? など考えると頭の中でいっぱいになってきました。 結局、値引き交渉をして購入して待つこと2ヶ月、見てはじめてその謎も消えましたが、このデリケートかつあまり良いコンディションではないハープを どのように維持していけば良いかまだまだ頭の痛い課題が残っています。 補足: チューニングハンマーは現在のオスカーシュミットなどではサイズが違って使えません。
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