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リラ(ライアー)の復刻再生 Reproduction of Lyre |
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このページは掲示板での書き込みがあったテーマに対応したものです。 の続きです。 |
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リラを作るのは難しいか? リラを作ろうと思った人は数限りなくいつの時代にもいたと思います。 もちろん現代でも・・・ でも実際に販売されていなかったり、アンティークの市場にも出てこないという事は何か問題があるということです。 そこで、この楽器の問題について考えて行きたいと思います。 まず、この楽器の歴史自体はかなり長いので、最も理想と思われる形がいつの時代にあったかを考えなくてはなりません。 本来作られていたであろう時代はやはり、紀元前ではなく9世紀から11世紀頃の欧州の資料が多いことから、その時代のものがイメージの起源ではないかと思います。 ただ、天使や女神のもつ今のリラのイメージは18世紀以降に固まったものだと思います。 おそらく当時の人が、9世紀から11世紀ごろ欧州の壁画や絵画などの資料をもとに図案化、もしくはイメージ化していき、現在のような水瓶型のハープのイメージが出来上がったことだと推測します。これについては別のページで書いているとおりです。
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10弦説 誰が唱えたかはっきりしたことはわからないのですが、本来のリラは10弦であるという説があります。 これ以外にも7弦説、12弦説などいろいろあります。 音階 おそらく、12平均率の確立する前ですから音程がドレミのようにならんではいなかったことでしょう。 弦の張り 現在のような金属で微調整の可能な糸巻を使っていなかったために、さほど強い張りはなかったと思われます。 音量 これは大きさと構造から考えると、かなり小さかったものと思われます。 上記のことだけを考えても、この楽器をそのまま再生したのでは現代の曲どころか、簡単なフォークでも弾くことができないでしょう。 これが一番大きな問題かもしれません。
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最近の情報 2004年5月 最近、ある話から海外の中東のハープメーカーのマネージャーの方と仲良くなり何度かメール交換をしています。 そこで気がついたことは、かなり、この楽器が宗教に密接にかかわっていたことです。 おそらく日本人や欧米の人はいろいろなところにライアーのマークを使うことから見ても宗教的なものを感じさせません。 人種や国によって関係の薄いことかもしれませんが、イスラムなどの宗教では密接にかかわっていたようです。 また、そのメーカーではキノール(キンノール)などのライアーの仲間ともいえる楽器も手がけています。 そのデザイン性については私にとってあまり納得の行くものではありませんが、良く話しを聞いてみると、ある程度文献から調べていて、想像の部分があるにしても今の楽器としてよく考えて作っているようです。 私のホームページをご覧になって、(日本語の翻訳のせいもありますが)とても返しきれないほどの数々の質問をしてくるところを見ると、かなり勉強熱心でライアーについての情報を集めているようです。 このホームページでも何回か書いたとおり、世界中でこのライアーを復刻させようとしている団体があり、それらの多くは楽器を本格的に作る設備を持った工場とかではなく、小さな工房や有志の団体もしくは個人です。 できれば、このようなライアーの発祥の地で本格的なライアーをある程度安く良い製品が量産がされれば良いなと思うこのごろです。 ちなみに中東は良い木が多くとれますし、木の乾燥も非常に適した気候といえます。さらに人件費も比較的に安いために、ヨーロッパのハープの材料などの調達は中東で行っているところもあるぐらいです。 今、戦争?などで不安定な情勢が続きますがその中で、このような楽器を作っている人達もいることを考えると複雑な気持ちがします。 最近の情報 2004年12月 最近アメリカのローカルオークションで1912年製のライアーが出ていました。少し形は無骨ではありましたが、私の入札価格では落とせず残念でした。 (そもそも私の入札の方法があっているのかもあやしかったのですが・・・・) 当時の生産量もおそらく1000台足らず、現在残っている自体が不思議なぐらいですが、その状態はまずまずのようでした。 おそらく一生このような楽器に出会えないのか?と思うと悲しいですね! それで、驚いたことは、ダブルサイドに弦が張ってあったと言うことです。つまりダブルストラングです。 ゲルトナーライアが出来たのが1926年だと言われていますからそれより前にこのライアーが発売されていたことになり、多少参考にした可能性も無きにあらずです。 写真が載せられないのが残念です。 |
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最新の画像は載せることができませんでした。日本での発売に関する情報などは現在のところ一切わかりません。
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