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キタラとリラ(ライアー) Kithara & lyre |
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あまり聞いたことの無いハープの名前ですが、リラ(ライア)とキタラは一部の構造の違いがあるもののよく似たハープです。 上の写真に描かれているハープはどちらだと思いますか? 正解はキタラです。 厳密に言うと非常に判断のつきにくい分類ですが、リラ(ライアー)は共鳴する部分が胴のみで、キタラは胴と支持する左右の柱なども含まれるという説が有力だと思います。
これらの楽器は、古い文献から想定すると、その構造から言ってあまり大きな音量がでないことと、弦を多く張れないことから他のハープに押されて消えていったものと思われます。 従って、各時代で、これを再現しようとする人は後を絶たなかったのですが、残念ながらこの姿を再現しようとすると楽器としての十分な機能が成立しなくなってしまうという問題を抱えます。 また、女神や天使などが持っている楽器としてデザインやシンボルによく使われているエンジェル(ス)ハープですが、やはり見つけることが出来ない幻のハープとされています。
従って、現代では形こそ変わりますが、ある程度のユーザーを持つこの分類の楽器はゲルトナーのライアーのみという事になります。 この楽器の場合には大きな胴を持つことにより音量をかせぎ、さらに大きさを大きくすることにより弦の張れる数や音域を増やしています。
リラは日本では呼び方がいろいろとあり、リラハープ、ライア、ライアハープ、ライアー、ライアーハープなどがあげられます。 ゲルトナーのライアーも、ゲルトナーライアーと呼ばれたりシュタイナーのハープなどと呼ばれることもありますが、ただライアーと呼ばれることもあります。
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リラ、キタラの起源は、ギリシャ神話などにも出てくるために良くローマギリシャと言われていますが、BC2700年頃のメソポタミアまで遡るようです。
また、宗教上の意味合いでリラ、キタラ、ハープと3つをハープという大きなジャンルではなく、全て別の異なる楽器として扱っていた時代があります。
10世紀頃には、弓で弾くリラが作られフィンランドやスウェーデンでは現在でもそのような楽器が数種類存在します。これらを弓奏リラと呼びます。 |