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ライアー(ライア)ゲルトナーライアー奏法 Leier |
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大きさの割りには弦の数も多く、クロマチックが標準というゲルトナーライアー非常に魅力のある楽器です。
最近、演奏に対する質問が増えてきましたのでこのページでまとめてみようと思います。 なぜか、日本で独奏曲をまともに弾いているのを見る機会が無かったせいもあって、時間とお金に余裕ができれば海外遠征をしてこようと思っています。 右手と左手 小型のライアーは膝に乗せて左右の手ではさみこむように弾くラップハープです。大型はフロアハープのように置いての演奏になります。 ライアーはブリッジが工夫されていて、2段になっているために、上の図で見て、奥側と手前側に弦が分かれます。 奥側は、ピアノで言う黒鍵にあたる弦、手前側はピアノで言う白鍵にあたる弦というように分かれて、それぞれ左手と右手に分けて演奏します。 演奏姿勢 まず、この楽器で戸惑うことは、その演奏の姿勢です。 卵型のこのボディを膝の上に載せたり挟み込んだりしてもなかなか安定しません。 しかも、天使が持っているライアーのように、片手で楽器を支えてしまうと両手の演奏ができなくなってしまいます。 しかしながら、いろいろな位置にライアーをすこしづつ動かして安定した位置を見つけ出し、両手、足さらに体でも固定するように考えると意外にも自然体で弾けるようになります。 つまり、体に響かせるように抱き込む姿勢から、演奏しやすい位置を見つけ出すことが重要かもしれません。 サウンドホールが少し自分に向くぐらいの角度で固定する人もいます。 弦 ご存知とおり、ライアーは大きさに対して多くの弦が張られています。 そのために他のハープに比べて弦の間隔は狭いのですが、この奥側と手前側(左右)に2段に分けたことにより、さほど、弾き難さは感じなくなっています。 ライアーはスチール弦で、しかもある程度テンション(弦の張りの強さ)が高く張られているために、ギターのように簡単に弦をならすことができます。 ただ鳴らすだけなら誰でもできるのですが、曲をまともに弾こうとすると結構大変です。 消音について 弦は、低音になると太いラウンド弦になり、弦長も長くなってくるために余韻がかなり長く続きます。 逆に、高音弦は早く音が消えてしまいます。 従ってテンポの速い曲を弾く時はもちろん、普通の曲を弾く時でも、低音弦の余韻は音の長さに合わせて切ってやらなくてはなりません。 つまり、ミュート(消音)をしていかなくてはなりません。 そのためにライアーの演奏を見ると、弦を反対の手でミュートしていたりするので音と合っていないような指の運びが見られます。 演奏のヒント 以下は知人の演奏についてわかったことをそのまま書いて見ます。 上手な人の演奏を見ると、(どの弦にどの指を置いて消音するかという作業が入るためか)指ごとに押さえるホームポジションのようなものがあります。 私の知人は左右の親指のホームポジションをGとG#に持ってきていました。おそらく弦の配置から見ないでも押さえられる位置なのでは?と思います。 また、基本的に弦の間隔の問題かもしれませんが、次の弦で指を止めるようにした演奏(ギターでいうところのアポヤンド)で弾いています。 さらに、早い演奏になると、次の弦で指を止めるようにした演奏ではなくなるようでした。 また、特殊なのかもしれませんが、CEGの和音を演奏するときにCEGをつまむのではなく、DとFとAをミュートしてジャラーンと弾くようなことも行なっていました。これを極めると、ハープのような長いグリッサンドも可能でしょう。(この奏法についてはカンテレを参照) また、弦の弾く位置を考えて、硬い音と柔らかい音をかなり使い分けていました。
弦のはじき方 持ったときに自分とほぼ垂直に楽器がくるために、指を弦において、少しだけ指を手前にすると、自然に次の弦に指がぶつかってしまいます。 逆にそのぐらいの間隔しか弦の間隔が開いていません。そのために上記のように、次の弦で指を止めるようにした演奏が慣れると弾き易いです。 さらに指を弦に並行に持っていくと隣の弦に接触するので非常に弾きにくくなりますので、私は弦に対して60度ぐらいの角度をとっています。 早く弾くと、弦に対して段々入射角が高くなっていきます。 ブリッジの近くはかなり硬い音が出て変化がつきますので、他の楽器のような音が出ます。 また、音の変化としてはハーモニクスも簡単に出せますしピチカートも可能です。 以上の演奏については、楽器的には正しいにしても、以下の点をあげておかなくてはなりません。 ドイツでシュタイナーと深い関係にあるのがこの楽器であり、その場合には音を大切にするということで大きな音を出すことはほとんどありません。 弦をなでるようにして1つ1つの音をそっと弾く場合が多いようです。
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