オルゴールの応用
Technology for music box

ホイッスラー

WHISTLER

 

ホイッスラーとは、口笛を吹く人のことで、ヨーロッパでは、大道芸の一つとして、非常に上手い口笛を街中で吹いていた人がいたそうです。

それを機械仕掛けで作ってしまったものが、このホイッスラーです。

スプリングモーターを巻くと、フイゴから、空気を笛に送り込むのと同時に、ギアーを廻して笛の長さを変えることによって音程を変化させます。

そして、1曲の曲をあたかも口笛を吹いているように演奏してしまう人形です。

ヴィクトリア時代の頃の一部を除いて、ほとんどのものは口笛を吹きながら、首を左右に振ります。

また、普通は木彫りの人形ですが、オートマタのように布の洋服を着た人形や、手を動かすホイッスラーもあります。

実は、この人形は、シンギングバード(バードボックスバードケージ)と同じように現在でもごく少数ですがドイツで生産されています。

しかも、レプリカが多く、当時のデザインに塗装なども褪せたような渋い色で塗装されるために、日本で輸入している業者も良く間違えてアンティークとして販売をしているので注意が必要です。

写真のものは1950年頃のものです。現在でもドイツで作っているものなので入手は比較的簡単かもしれません。


このホイッスラーを買うときには必ず本物を聞いて買わなくてはなりません。なぜならば、単音でメロディを吹くのですから曲が正確に演奏されないと非常に惨めです。

さらに、制作者の問題だと思いますが、本当の口笛のように、ビブラートのような抑揚をつけているものはとても良いのですが、そのようなものは非常に少ないです。

ビブラートがついていないとただの笛を吹く人になってしまいます。

ちなみに、オ−トマタには、「笛を吹く人」だとか、「鳥に曲を覚えさせる人」などのあり、これと同じ原理です。

このような木彫りがさかんなドイツのシュヴァルツヴァルト(ブラックフォレスト)では木彫の中にオルゴールを仕込んだものや、カッコウ時計・鳩時計なども多く作られていることで有名です。

 

 

 

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