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ファットシリンダーを綺麗に オルゴールのお掃除 |
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6:チターアタッチメントの調整 チターアタッチメントはピチカートのように音をミュートして本来とても面白い効果があるものです。 その音が弦楽器のチターと似ているということからこのような名前がついています。 しかしながら、ほとんどのアンティークオルゴールでは正しい調整がされていないために、その効果は上手く出せないで、使うことのない、ただの飾りになってしまいます。 今回は分解をしてチターアタッチメントを付け直して調整しました。 チターアタッチメントをはずすと、写真1のように普通のコームの状態です。 チターアタッチメントをはずすには、ベッドプレートをボックスからはずす必要があるので少し手間がかかります。 従ってオークションなどの場合には、はずしてまで写真を撮らないために、影に隠れていた歯が折れていたり、ひどい錆びの状態であったりすることがあり危険が多いです。 |
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写真1
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今回の場合には、コームを掃除する必要もあったために、当然分解をしています。写真1のようにコームが綺麗になった状態で、チターアタッチメントの取り付けを行います。 |
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写真2
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写真2のように、コームの中央のスクリュー(ネジ)に取り付け金具を取り付けます。 この際に注意が必要なのは、取り付け金具のネジ穴は横に長くあけられている場合があるので、どの歯からどの歯にチターアタッチメントの効果をつけるかを考えてしっかり固定する必要があります。 |
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写真3
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写真3はアタッチメントを取り付けたものです。 写真2の取り付け金具にネジで固定するのですが、ONにした時に、コームにどのぐらいの力で接触するかを調整します。 少し音がビリビリする限界に調整するのが理想です。 もし押さえつけると、余韻が全くなく、ポツポツのさびしい音になります。 また、押さえが弱いと、調整の悪いオルゴールのように余韻の短いオルゴールという感じになってしまいます。
低音部と高音部の一部にチターアタッチメントがあたっていないのは、もちろん計画的です。 低音はある程度伸びて音の寂しさをカバーします。 高音は、キラビヤカさを残すためにミュートしません。 昔の人は良く考えたものだと感心します。 |
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ファットシリンダーを綺麗に
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