A はじめに
INTRODUCTION

A3 ハープの名前(呼び方)

HARP & ZITHER

 
ハープと呼ばれる楽器はA2 HARPの種類で書いたように非常に多くの種類があります。

そもそもハープの呼び方は本当に複雑で、人によって違うため、このホームページを作るにあたっても見出しのつけ方が困っています。

自分の知っている名前から、そのハープを見つけようと思ったときに、なかなか見つからないのでリラライアー)等のように表示していますが、アイリッシュハープをとってもケルティックハープラップハープレバーハープなど呼び方はたくさんありカバーできません。

楽器の名前は知っているけれど見出しが見つからない場合には名前で探すハープ検索を見てください。

また、この楽器の本当の名前は何?と悩まれた方はハープ名称ランキングも参照してください。


さて、このホームページのテーマでもある「ハープとチター」についてですが、形状こそ違いはあるにしても 2つの楽器は非常に近い仲間です。

いろいろな楽器の中でも、呼び方が複雑なものとしてチター系の楽器があります。

日本では一般的?にはチターと呼ばれていますが海外ではハープとも呼ばれ、しかも、同じ楽器でも名前がいくつもついているような楽器が多いのには困ります。

実際には海外ではZITHERHARPは同意語に近く、どちらの呼び方もされていて厳格な違いはありません。

 


この呼び方の詳しい説明は見つけることができていませんが、チター系のハープの進化はアメリカとドイツが主流でお互いの国で輸入や輸出をしながら、独自のアイディアを組み入れてきた背景があります。

従って最初はHARPがアメリカ、ZITHERがドイツの呼び方でしたが、両国の輸入、輸出などでのちに入り混じり、各製造メーカーがどちらの名前も採用した製品を作ったために厳密な区分けはされませんでした。

従って、ドイツで製造していてもHARPの名前がついていたり、アメリカで製造していてもZITHERの名称の楽器があります。

 


また、似たような名称で違うハープも多く存在してハープ、リラ(ライアー)、チターと名前から区別をすることすら大変です。

例えば

オートハープオートマチックハープは違います。

クロマチックハープはケルティックハープチターの両方があります。

クロマハープクロマチックハープとはちがってオートハープです。

などと書いていくと混乱が増すだけですので、現在のところ文章中にできるだけ多くリンクを張っていますので、多少見にくいとは思いますがご了承ください。

 


追記:

オートハープで有名なアメリカのオスカーシュミット社の社名からしてもわかるようにドイツとアメリカはこの歴史において非常に近かったことは確かです。

また、実際にはドイツ以外にもオーストリアをはじめとする周辺の国々でも愛用されていますし、フランスなどで製作された楽器も存在します。

 


追記2:

このホームページで「チター系」と書いて「チター族」と書かないことについては以下の通りです。

多くの事典などでハープの起源と歴史について書かれた文献を見る限りでは演奏方法や体型で族=属性を区別しているのですが、このホームページで上げるハープに関しては、属性と出来上がった背景が違うものもありどの属性と断定できないものもあります。

海外の方との意見交換のなかでは、そのことについては良くわかっていてチターの仲間、または小型ハープなどという呼び方をしていて、もはや属すというよりは、それに近い系統という感じだということがわかったため呼び方を変えています。

 

 

 

A2 ハープの種類 でどうして、あのような分類をしたのか?と質問を頂きました。

簡単に言うと海外の方と話しているとあのように分類されているようだったのでそのまま、まとめただけです。

そこで、ここではもう一度ハープという位置付けを考えて見ることにしました。

 

ここから下を読まれる方: ライアーとリラは同じ楽器をさすのでここではリラに統一して書きます。


一般的に発行されている書籍に載っているハープの分類についてはどのような位置付けになっているでしょうか?

マール社の書籍「楽器」や、音楽之友社の本では弦楽器(弦鳴楽器)を以下のように5つに分けています。

 

ハープ(族) 弓型ハープのみです。
リラ(族) キタラ も含みます。
チター(族) ピアノが含まれます
リュート(族) ここに ヴァイオリンが含まれます。
楽弓(族) 弓形で単純なもの?

かなり大胆かつ、どの楽器がどこか一見わかりません。

またこの分類では中間的な楽器は以下のように変な表ができます。

 

中間的な楽器 ハープ リラ チター リュート 楽弓
ハープ ハープ ×構造上考えられない? ○オートマチックハープなど ○ギターハープなど
リラ リラ ○ピラード付きチターの一部 ○弓奏リラ
チター チター ○ストーセル
リュート リュート
楽弓  

○は存在する。×は存在しない。

これは、古い構造上の分類ですから、かなり偏っています。

ハープ 弓型ハープのみです。
リラ 2本の腕に支えられた横棒から胴へ弦が張られている
チター 板状の胴に並行に弦が張られるもの
リュート 棹(ネック)があればこの仲間です。
楽弓 弓形で単純なもの?

というような感じでしょうか?

しかしながら

ハープの胴(サウンドボックス)の向きを変えるとチターになります。

リラの胴の部分を広げるとチターになります。

大型のリラの音色はハープと同じものがあります。

小型のリラの音色はチターと同じものがあります。

などなど区別がつかない条件はいろいろあります。

おそらく、ハープ、リラ、チターのこの3つはかなり近いといえるでしょう。

 


では一般の人がどのような楽器をハープと呼んでいるでしょうか?

日本
アメリカ
ヨーロッパ(ドイツ)
ハープ
ハープ
ハープ
ハープ
リラ
ハープ
ハープ
ハープ
チター

ハープ

または

チター

ハープ

チター

一部でハープ

リュート
それぞれの楽器の名前でハープとは当然言いません
それぞれの楽器の名前でハープとは当然言いません
それぞれの楽器の名前でハープとは当然言いません
楽弓
それぞれの楽器の名前でハープとは当然言いません
それぞれの楽器の名前でハープとは当然言いません
それぞれの楽器の名前でハープとは当然言いません

 

もともと弦鳴楽器という大きなジャンルを分類するのに無理がありますね!

 


今もし、分類するならば

ピアノの仲間(鍵盤がついているもの)

ギターの仲間

ヴァイオリンの仲間

ハープの仲間

それ以外

というところでしょうか?この方がわかり易くありませんか?

 

 

 

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