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F2 サウンドホールとその数 number of sound hole |
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ハープにはサウンドホールがないのでしょうか? 弓型のハープにはどこにサウンドホールがあるのか知らない方も多いと思いますが、グランドハープやアイリッシュハープなどはほとんどサウンドボックスの背中の部分で、演奏者の体に近いところにあります。 チターのようにストリングピンが外に出ていないために、このサウンドホールを通して弦を張るためです。
従って演奏をしない人にとって演奏している時にサウンドホールを見ることはないので、ハープにサウンドホールがあるということを知らない人が多いわけです。 おそらく例外に入るとは思いますが、一部のアルパやアイリッシュハープではサウンドボックスの表にサウンドホールをつけたものもあります。 サウンドホールを覗くと弦が止めてある様子を見ることができます。 チター系 一方、チター系や、ダルシマー系は天板にあたる目立つ所にサウンドホールを設けるために、いろいろな装飾を施されたりします。 本来は、このサウンドホールは構造上で音色や音量を左右するので重要な要素の一つですが、チター系のハープに関してはあまり重要にとらえていないようです。 各ハープのサウンドホールの位置はハープ各部の名称も参考にして下さい。 どのハープにもサウンドホールがあるでしょうか? 正解はNOです。 古代のリラやキタラにはサウンドホールはありませんでしたし、ルネッサンスより前の弓型ハープの一部にはサウンドホールはありませんでした。 この頃の楽器は大きな音量を必要としていなかったこともあり、共鳴する胴(サウンドボックス)の容積も少なかったぐらいなので、サウンドホールを空けることが出来ないものもありました。 また、初期のクロマハープや、コードハープの一部にはサウンドホールがないものもあります。 現代では、ピックアップをつけたエレキハープや、自然の木を輪切りにしてつくったハープ、民族楽器のハープの一部にはサウンドホールはありません。 サウンドホールの数 ハープ系で3−5、チター系で通常1から2ですが、10を越えるものまであります。 リュートに近いものだとホールの数に制限は無く、デザイン重視のサウンドホールもあります。 ほとんどの場合はその大きさに応じて数が増えていきますが例外もあります。 特に弦の数を多くすると、その張力に耐えるようにソリッドの(木で埋まっている)部分が多くなり、ボデーの中の空洞の部分が少なくなりなります。 そのため反響する空間が狭くなり、サウンドホールを多く開けることが出来ない(または必要がない)訳です。 実験として、サウンドホールを厚手の紙などで抑えて音量を測定しましたが、さほど影響はないようです。 また、音質もギターのような楽器ほど変わることもありません。 良くアンティークのハープを入手すると木目にそってこのサウンドホールから割れが生じていますが、ハープの場合には簡単に補修する程度で神経質になるほど気にすることはないようです。 むしろ、湿気を吸ってしまったり全体的な歪の方が音に影響します。 最も見た目を気にする人であれば、それ以上に割れが気になると思いますが、私の場合は楽器を楽しく弾くことを一つの目的としていますので弾ければ良いという判断ですが・・・・・。 |
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アイリッシュハープの場合も、底にサウンドホールがあるものと無いものがあります。 |