|
|
B6+ タイタニック特別編 |
|
1912年にタイタニック号が沈みました。 それから数年間にわたり、多くの物語ができ、本当に多くのニュースが新聞や本で報道されました。 貴族と下級階層の人々の差別なども映画ではかなり詳しく さらに正確に再現されたので、 タイタニックの映画を見た人ならばここで書く内容を映画の場面と照らしていただければと思います。 少しハープからは逸れてしまうと思いますが、 当時のアメリカの音楽についてまとめてみようと思います。 貴族の音楽 19世紀までのハープは貴族の楽器でした。 それは大きくても小さくても同じで庶民の手で触ることはできませんでした。 その頃はオルゴールの全盛の時代で、アメリカとヨーロッパでは、 クラシック、とくにオペラの曲やシャンソン、フォークなどが 盛んでした。 この時代にはまだ、レコードや蓄音機もなかったため、 ローラーオルガンなどの曲目リストを見ればその当時の音楽の流行がわかります。 その頃はビゼーやヴェルディ、シュトラウスなどが特に人気がありました。 貴族の間ではこの傾向は1930年頃までは強く残りました。 タイタニックの映画では弦楽五重奏などで表現されています。
そして、タイタニックの中で最も有名な船首に乗り出して手を広げて・・・ のシーンでは伴奏にハープのアルペジオが軽快に走ります。 庶民の音楽 一方、庶民の音楽は映画の中ではフォークソングで表現されています。
1900年を越えた頃から、急速にハープなどの楽器は安く量産されるものとなり、普及しはじめました。 特に構造の比較的簡単なケルティックハープやチターの仲間がそれにあたります。 そして、1910年前後は、改良がおこなわれたり新しい種類が多くできたために、ハープの特許戦争がアメリカ、ヨーロッパで起こりました。 丁度その頃に起こった大事件がタイタニック事件です。
タイタニックの映画で3等のパーティでアイルランドから乗った人達とジャックとローズがダンスをするシーンがあります。 この時代はちょうど、アイルランドからのフォークソングがアメリカにも渡り、音楽以外でもかなり行き交っていた時代でした。 ケルティック(アイリッシュ)ハープの曲がアメリカへ多く渡ったのもこの頃と思われます。
そして、その後 それらの音楽は入り混じって、その後のアメリカでの音楽にも影響していったことだと思います。 また、最近では、映画の主人公になったジャックは(映画ではアメリカ人ですが)アイルランド出身であることもわかっているそうです。 貴族と庶民の音楽 タイタニックの映画では、これら貴族の音楽と庶民の音楽を対比させるがごとく使われています。 また、それは、背景に何気なく流れる曲であっても注意するといろいろ解ってきます。
その頃の音楽は映画を作るにあたってかなり調べたようで、時代考証はかなり正確と思われます。 当時の楽譜は多く現存しており、入手もアンティークに比べれば簡単です。 (ちなみに海外では「アンティーク」という言葉は100年以上経過したもののみを指します。)
庶民は貴族の音楽を聞かなかったのでしょうか? もちろん、そんなことは無く、もう既にこの時代ではかなりいろいろなジャンルの曲が入り混じっていました。 当時のアメリカのオスカーシュミットの曲リストを見ると、今でも演奏される曲もかなり含まれていますし、 貴族の曲と庶民の曲との区別も大きくは感じられません。
Ave Maria や欧州のワルツなどはもちろんのことですが Old Black Joe、O Susanna! 、Home Sweet Home 、Old Folks At Home、 Turkey In The Straw My Old Kentucky Home などフォスターで代表されるアメリカのフォークソングも 多く見られます。 もうこの時点で、ほとんどの有名なフォークソングは出来上がっていました。
また、My Wild Irish Rose のように アイリッシュ系の曲?も見られます。
それ以外にSanta lucia 、O Sole Mio!などイタリアのシャンソンをはじめ クリスマスソング、ドイツ民謡、ハワイアンなどなど 現代でもまだ残っている曲は非常に多くあります。
また、それらの曲を弾くのには十分ですが、現代の曲を弾くにはつらい音階の楽器なども多くあり、 コード付きハープやマンドリンハープの仲間はほとんどそれに該当するでしょう。(例)
少し時代的にはずれていますがこのホームページで当時の楽譜を見ることができます。 |
|
映画とハープについての情報を探しております。 タイタニック以外の情報は H11 映画とハープにあります。
|